何年前のことか、もう十年以上経つでしょうか。
ある芸術家の方が、当社にご自身の顔の成形品を依頼されに来られました。
恐らく何かの型取り材を使用して作ったと思われる ‘ ご自身のお顔 ’ を持って。
人のリアルな顔をずっと作ってみたかった
お面を作り続けて来ていましたから、人の顔に興味は持っていました。
ただその時からでしょうか、明確に、
‘ 私もリアルな顔のお面を作ってみたい。できれば色の着いた写真のような仕上がりにして。’
と考え出したのは。
3Dスキャナーとの出会い
それから幾年も経って、ある展示会に行った時のことでした。
3Dプリンターが世の中に知られ始めた頃で、展示会にも複数の3D関連ブースが立ち並んでいました。
そこで声を掛けられました。
‘3Dスキャナーをご覧になられませんか?’
一通りの説明を受けた後に逆に、無理を承知で私は彼にお願いをしました。
‘ 今後の参考に、僕の顔をスキャンしてもらえませんか?’
‘ 出来ればそのデーターも欲しいのですが。’
実店舗で依頼すれば多額の費用がかかる作業です。
しかし、展示会と言う状況の中で彼も気持ちが弾んでいたのでしょう。
‘ いいですよ。 ’
偶然の出会いが実写面というお面を生んだ
その時にもらったデーターを使用して作ったのがこの顔のお面です。
初めての実写のお面で、私は‘ 実写面 ’と名付けました。
冒頭の芸術家の方との出会い、そして3Dスキャナーとの出会い。
この二つの出会いがあって、この後の実写のお面の製作が続いて行くことになりました。
仕様
・材質は、塩ビ0.4ミリ厚白材。
・加工工程は、インクジェット出力→成形→外周ハンドカット→両耳穴(2工程)。
追記.
画像スライダーの最後の一枚。これは写真に合わせずマット肌材で成形をし、手塗りで目と口を描いたもの。これはこれで気色の悪いものとなりました。
数量がまとまればオリジナルのお面の製作が可能となります。
お祭りだけではなくコンサートやイベントでも是非お使いください。