印刷物を立体化する。(立体印刷成形・型との合わせ方編)

一誠技工舎では‘立体印刷成形’と呼ばれる、成形加工を用いての印刷物の立体化を三十数年にわたり行ってきました。
一誠技工舎はこうも考える。
三篇の二回目は絵柄と型との関係についてです。

2. データー修正を行わず、削って盛って合わせる。

印刷データーをそのまま使うと絵柄が足りない◆◆条件◆◆
・もち上げる高さを、必要以上に高くしない。
◆◆メリット◆◆
・初期投資額を抑えられる→印刷成形を行うチャンスが増える。
・特にロットの少ないものには効果を発揮する。
◆◆デメリット◆◆
・形が変わる→決まった形のないモノ(風景など)なら問題ないが形の変えられないモノ
(有名キャラクター・厳密は商品など)には使いづらい。
◆◆理由◆◆
印刷成形品は決して安いものではありません。
初期投資額を抑えて、より身近に印刷成形品を使って頂きたいと思うから。
 

印刷成形品の制作費用は安いものとは言えません。初期費用に関しては、成形に必要不可欠な成形型や抜型に加え、印刷版に校正刷り、そして必要に応じて型・原稿データー・版の修正などの追加の初期費用がかかるからです。

その初期費用のうち、(印刷を型に合わせる)というところの費用を考えてみます。

印刷成形とは、印刷と形を合わせる加工です。つまりタテ×ヨコで表わされる印刷物をタテ×ヨコ×高さで表わされる型の表面に貼りつける加工と考えて頂ければと思います。 こう考えると印刷と形をどちらかの修正なしに合わせることが、どだい難しいことが分かって頂けると思います。つまり、印刷物に型の高さ部分を補う面積が足りないのです。上の画像をご覧ください。側面に白い部分が見えます。絵柄の面積が足りず下まで届いていないのです。

それではまず、その修正方法のことを考えてみます。修正の方法の現在の主流は、「印刷データーの修正」です。その理由として、以下のことが考えられます。

1. 印刷データーもデジタル化。
2. PC能力の驚異的な向上、ソフトの低価格化により以前に比べ、データーの修正に時間や費用がかからなくなった。
3. 形を変えずにその絵柄のみが多様に変わる成形品が大量に出て来た。これはつまり、自販機のダミー缶の出現。

私が二十数年前に勤務していた印刷会社でも、当時から印刷データーの修正は行われていました。入稿されたポジフィルムをドラムスキャナーでデジタル化し、そこから修正開始。 修正内容は(致命的なキズを取る)など そんな程度でした。それでも大ごとでした。

確かに印刷データーの修正には、以前に比べ費用や時間がかからなくなりました。ではその費用は気にするほどのものではないかと言うと、全くそんなことはありません。 内容にもよりますが1回につき数万円以上のデーターの修正費用がかかり、加えてその都度その修正を確認するための校正刷りの費用がかかります。

そして、合成紙の生産終了。それに伴う、費用の増加。

さて、それでは‘印刷と形を合わせる’ために他に方法はないのでしょうか? ‘いいえ、あります’。

「型を修正する」方法です。印刷に合わせて、型の形を盛ったり削ったりする方法です。以前は、この方法が主流でした。少なくとも当社では。

このやり方の最大のメリットは、やはり費用と時間の部分だと思っています。あまりに大きな修正は出来ませんが、その場で型を削る・盛るということで絵柄に型を合わせてしまいます。一誠技工舎内での処理で出来るわけですから、時間も費用も必要最小限に抑えられます。

校正刷りは一度は必要になってきますが、以前はこんな方法で費用をかけずにやったこともあります。本生産用の印刷物を使って、テスト成形を作成するのです。つまり校正は費用の安い紙の校正を用い、おおよその色味だけ確認をします。その後、印刷の本生産を行ってしまうのです。その際に、実数よりほんの少しテスト用の枚数を増しておくのです。これによってプラスチック素材による校正代は必要なくなります。

これは型で合わせ切るという前提のもとで行われているわけですし、印刷の色も紙とプラスチックでは発色が多少異なるわけですから、全く不安がないと言えばうそになります。しかし以前はこのような生産をして、費用を抑えていました。私は今でも条件が合えば、このやり方は普通に通用すると考えています。時間や費用優先の仕事ということでお客様のご了承を頂ければということが必要ですが。

さて、ではこのやり方はどんな時に有効なのでしょうか?

一つは、形を変えても問題ない場合。印刷の面積が少ないのですから、通常は形を小さくしていく方向に直します。以前こんなことがありました。ウサギの印刷に合わせて型を細く削って行きました。その時に、お客様が言われた言葉‘これ、ねずみ?’

某浦安の有名キャラクターの様に形は変えられないというものなら、この方法は不可です。しかし抽象的なもの、風景や食べ物など絶対的な形が決まっていないものなら使えます。但し、それでも高さが抑えられている場合です。いくら形を直して良いと言っても限界がありますから。

次に、どのくらいの高さならば良いのか?

これは一概に言えません。面積の狭いモノにとっての高さ20ミリと広いモノにとっての高さ20ミリでは、同じ高さでも意味合いが異なります。「大よそ高さ30ミリ以下、なだらかに立ちあがっている形状。そして抽象的な絵柄・形状」なら見込みがあります。

最後に、印刷のある場所。

これは印刷データーの修正を行う場合でも同じことなのですが、合わせる絵柄が形状の側面にある場合はきびしいと思います。側面は一番伸ばされるところで、元々安定感にかけます。ここを形で直そうとすると、かなりの変更をしなくてはなりません。原型をとどめない場合が多々あります。それでもかなりバラつき感が出ます。

高さを低く抑えられるモノ、抽象的な絵柄・形状のモノ、特に費用を抑えて生産したい場合には、型を直して印刷と合わせる方法は効果が見込まれると思います。

(⇒これも型の修正だけで合わせています。)

追記.ダミー缶が出現して以来、印刷成形の技術は革新的に進歩したなぁと思います。実際、販売機の横を歩くとまじまじと見てしまいますもの。うまく出来てるなぁと。しかしその反面、印刷成形というものが何だか複雑に、お金のかかるものになってしまったなぁと強く思うのです。この感は、前述したとおりです。しかしそこまで厳密に再現をしなくてはいけないものばかりでしょうか、印刷成形って?多額の見積書を提出する度に、毎度こう思わざるをえません。

1.印刷物を立体化する(印刷編) 3.印刷物を立体化する(多面付け編)

初めての真空成形

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