続続・一言だけ‘あのさぁ’

2019年03月04日

五十を過ぎての、まさかの職質。

私は趣味としてアーチェリーをしている。
始まりは旅行先でのアクティビティ。
何年か忘れていた後、地元公共施設に完全屋内式のアーチェリー練習場があるのを知り、講習会に参加。
今では協会に属して、週に何度か仕事終わりに練習に通っている。

練習に参加して一年ほどは協会から道具一式を借りていたが、その期限が迫った際に自らのものを買い揃えた。
アーチェリーの道具は、正直他の競技に比べると高いと思うものが多い。
競技自体がマイナーだけにその生産数も少ないのだろうから、しょうがないのだろう。

さて、このところ。
自分の引き尺に比して、矢が長いのではないかと思うようになった。
某新宿のショップで作ってもらったのだが、一度1インチ(2.54センチ)をセルフカットして試してみたが、やはり長いと思えるのだ。
ちょうどカーボン矢を使ってみたいと思っていたから、この際、短い矢を作り直そうと考えた。

さて、どこで作ろう?
新宿のお店はもうやめておこう。
となると、選択肢はそう多くない。
身を置いてみると分かるのだが、アーチェリー道具を販売している実店舗は本当に少ない。
東京に住んでいてそう思うのだから、より遠くに住まれている方々は道具の購入や修理は本当に大変だと思う。

ネットでも購入は可能なのだが、アーチェリーの道具は仕様上の寸法だけでは計り知れないものが多い。
いつだか誰かに言われたのだが、‘アーチェリーは物理だよ’。
自分に適した道具をそろえ同じ環境を保ち、それを同じ適した姿勢で射たないことには上達は見込めない。
出来ることなら、実店舗でこの競技の玄人の店員と相談した方が良い道具も多い。

新宿がダメなら大久保に行こう。
まず、土曜の昼前にお店に電話をしてみた。
繋がらない。
でも、土曜日は定休日ではない。
食事にでも行っているのか?
ええ、行ってしまえ。

という事で、車で家を出た。
新大久保~大久保のあたりは韓流、多国籍の流れで土日はごったがえす。
元々、駐車場も少ないし、駅前の駐車場は料金がとても高い。
一つ前の駅との中間あたりに車を止め、えっこら歩くことにした。

その日は春らしい天気。
暖かい。
が、何を間違えたかダウンを着込んで行ってしまった。
駅半分の距離を道具を肩にかけて坂を上がる。
持ってみると分かるのだが、アーチェリーの道具一式は恐ろしく重い。
肩にめり込んだ道具を持ちながら、大汗をかいて坂を上り続ける。

新大久保駅と大久保駅に挟まれたに挟まれた、日本とは思えないインターナショナルな地域を通過して目指すビルに到着。
間口が狭くのっぽな雑居ビルの一室。
アーチェリーの実店舗に多く見られる店舗形態である。
エレベーターに乗り込むが、その階のランプが表示されない。
いくら押しても反応がないのだ。

下からお店に電話をしてみるが、やはり繋がらない。
ここに来て、店が休んでいるのではないかという不安にかられる。
‘ここまで来て休み?’

ビルの入り口とエレベーターまでの短い距離を行ったり来たりしているうちに、他の居住者が私に興味を持ったのか、声をかけてきた。
‘ボタンが表示されないなら今日は休みだと思うよ’
それでも往生際悪く外からビルの上方を眺めていると、可哀そうに思ったのか、‘この近くにここの倉庫兼事務所があるから行ってみたら?’ともう一度声をかけ直してくれた。

‘この先の二本目の小さな路地を左に曲がるとグレーのビルがあるから、そこがそう。’
このインターナショナルな街並みの、より細い路地に行けと言うのか。
一抹の不安を覚えるが、ここまで来たからには行かない訳にはいかない。
肩に食い込む大きなカバンをしょいながら、教えてもらった路地を曲がる。

地べたに座り込む二人。
何を話しているのかは分からない。
安旅館が目に入る。
グレーのビルは見つからない。
突き当りを戻る。

やっと見つけて鍵のかかっていないドアを開き、用向きを伝えるが、残念なことにやはり臨時休業であった。
店舗のHPに告知されていなかったが、ブログの方には事前告知されていたらしい。
お店のHPにも書いてくれ~。

泣く泣く、ビルを出る。
そこでまさかの職質。
こんな路地を大きなバックをしょってあちこち歩いているうちに、不審者と目をつけられたのだろう。
まともに答える元気もなかった。
‘こんな汗をかいている不審者がいます?○○から来たんですよ!’とお巡りさん相手に軽い逆切れ。

最後に職質されたのはいつだったか?
高校生の頃だったろうか?
自分の自転車を漕いでいたのにもかかわらず、職質をされて以来だ。

五十半ばにして、まさかの職質。
坂を戻りつつ、肩に食い込むその重さに気が遠くなった。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

2019年5月
« 4月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

初めての真空成形

私とお話しませんか。旅の恥は書き捨てと言います。表現が適当かは分かりませんが、私自身初めての現場に連絡を取るときはこんな気持ちです。私の経験上、必ずしも希望の情報が得られた時ばかりではありませんが、しない方がよかったと思ったことは一度もありません。少なくともそんな時にでも‘そこではうまくなかった’ということは分かるのですから。担当:鹿毛(かげ)
TEL: 048-997-2295
Mail: info@isseigi.com

【おめんの販売】
一誠技工舎オリジナルを中心としたおめんの販売
おめん工舎

【instagram】
インスタグラム
一誠技工舎instagram

一誠技工舎 社長の日記。
ひと言だけ `あのさぁ ’
一言だけ‘あのさぁ’
続・一言だけ‘あのさぁ’

ページ上部へ戻る