続続・一言だけ‘あのさぁ’
2018年07月19日7.192018
CO2プロセスという鋳型の製法。
フェイドアウトするような、薄い部分のある形状は鋳型に不向きである。
端がガタガタになってしまう。
それを防ぐために、このような形状の原型は台に取り付けられて鋳型に出される。
かまぼこのようなイメージである。
ただこの土台の部分が平らで尚且つその面積が広い場合、鋳型がほぼ反る。
程度の差はあるけれど。
そこで鋳型の現場に相談してみた。
今まで数多くの鋳型をお願いしてきたが、その方法について指定をしたことはなかった。
聞くとそのような形状の場合「CO2プロセス」という製法を使うのが良いと言う。
硬化が早く反り辛いというのだ。
CO2プロセス?
恥ずかしながら初めて聞く言葉であった。
調べて見た。
川口液化ケミカル株式会社という企業のHPを拝読した。
そこにはこう書かれていた。
http://www.klchem.co.jp/blog/2006/09/post_194.php
鋳物を製造する工程で、造形作業は人手と時間のかかる作業です。
これらの作業を合理化し効率化するべく古くから研究が重ねられ、一つの手段として乾燥工程を省く自硬性鋳型が開発されます。
自硬性鋳型には、無機質粘結型剤と有機質粘結剤があります。
これらの自硬性鋳型にCO2(炭酸ガス)が使用されております。
無機粘結剤でガス型と呼ばれる造型方法です。けい砂に粘結剤として珪酸ソーダ(水ガラス)を3〜6%添加してから通常の造型と同じように造型後、その鋳型にCO2ガスを吹き込みますと硬化するのです。
CO2ガスが珪酸ソーダと接触し瞬時に硬化しますので通常の乾燥工程から比べても省力化ができるわけです。
NaO・nSiO2・(nm+X) H20 + O2
→ NaCO3 + XH2O + n (SiO2 + mH2O)
従来工法の油型や乾燥型と比較しても効果は抜群で、一気に全国に普及し日本の鋳物産業に大きく貢献した材料なのです。
ただし、反応後にアルカリ性の炭酸ナトリウムを生じるのでケイ砂が再利用できません。
最近では砂の再利用が可能であるフラン樹脂を利用した方法が開発され、CO2プロセスは減っております。
そうか。
今まで何も指定せずにお願いしていた鋳型の製法は、ここで言う「フラン樹脂を利用した」製法なのだな。
知らないというのは恐ろしいものだが、知るチャンスでもある。
勉強になった。
ケイ砂の再利用ができない?
ということは、鋳型代が高くなるということか?
知るためには授業料も必要なのだ。
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